俺たちは予定より5時間遅れの520に
富士の頂を目指すべく、山小屋を後にした。
外はすでに明るいため、
ワークマンで買ったヘッドライトの出番はなかった。
古御嶽神社で安全祈願を行い、
地面は溶岩で岩々した、樹林帯の道に突入した。
無茶苦茶スローペースで出かけた。
大きな段差が何か所もあったけど、
ゆっくりゆっくり登った。
早速やけど、暑い。
雨に備えて全員カッパを着ての出撃やったけど、
俺は汗をかいてしまったので脱いだ。
パッキングが下手くそすぎて、
衣類の出し入れにかなりの時間を要した。
黙々と登る。おもったより心拍があがる。
気付いたら140とかになっているので、
その場合はいったん休憩し、100位にまで
落ちるのを待った。
先頭は俺。
2番手は元気だからこそ
高山病を警戒している息子。
息子が背後からちょくちょく
圧をかけてくるちいう、
地味にメンタルが削られる状況やった。
3番手は娘で、シンガリが嫁。
3人と嫁の差が開くことがあり、
所々待ったけど、
待つと何か言われるので、
もう待たないことにした。
7人位に追い抜かれながら、
658に6合目の長田山荘に到着。
「あと200m」の看板からが長かった。
雲海が見えた。この登山で唯一の青空。
ここまで俺は早くもH2Oを1Lも飲んだ。
リュックがだいぶ軽くなった。
みんなで御堀堂の外郎を食べた。
外郎は補給食として優秀だと思った。
ここで全員カッパを脱いだ。
樹林帯を黙々と登り、
本6合目に到着したのは758。
嫁の疲労が目立ってきた。
お菓子を食べてたら、
雨がぽつぽつと降ってきた。
どうせすぐ止むと思ったが、
全員上着にカッパを着た。
あと、息子が肩が痛いち言い出したので、
息子のリュックに入れていたH20の2Lを
俺のリュックに移した。
どうしてアヒルがいたのだろうか。
板と接着してたので、取れんかった。
赤いイタドリがきれいやった。
天気がすごく悪くなってきた。
ガスガスの雨の中、黙々と山を登った。
外郎がキマった娘は元気になってきた。
6合目前で俺達を抜いた
3人組がカッパに着替えよった。
なんか震度そうやった。
大きなシャクナゲの木。
俺と娘は携帯で写真を撮った。
娘は「こうするとエモくなる」ち云って、
眼鏡越しに写真を撮りよった。
↑たぶん、ここや。
息子と娘は楽しそうに江南スタイルを
歌いながら、登りよった。
俺は2人に引き離されるようになった。
911に7合目に到着した。
雨がすごかったけど、
雨宿りするとこがなかった。
ここで嫁を待った。
多分20分位待った。
個人的には嫁のペースが気になった。
普段より遅いので、体調が悪いのではと。
その時考えたのは、
・このペースで登ると、予定の山頂13時を過ぎるかも。
・てうか、嫁さんはこのままだとダウンするかも。
・このまま登っても天気の回復は期待できない。
・発雷率が高い。
⇒もう降りたほうがよくない?
そして7合目から下山道の砂走
が始まることに気が付いた。
これから登ったとしても、
リタイアしたらここにもどってくるのだ。
⇒やっぱりもう降りた方が良くない?
とはいえここから山頂まで約3時間らしい。
標高においては3,000mを越えており、
距離・高度ともに半分以上こなしているので、
ここで下山するのは勿体ない。
先ほどの3人組もどうするか迷っていた。
話しかけて数分話した。
結局、1名リタイアで、
2名は頂上を目指すらしい。
嫁がゆっくりと登ってきた。
なんかしんどそう。
そこで娘に異変が起きる。
多分、汗冷えやと思うけど、
顔面蒼白で「寒い」ちいう。
どうしよう・・・。
嫁はまだ登れそうなのと、
娘は動いたら回復するかもしれんち思い、
娘にカイロを2つ渡し、少しだけ登ってみた。
ちょうど雨があがった。
でも、なんかリスクしか感じられないので、
100mくらいいったところでリタイアする事にした。
先ほどの2名が先に行った。
すれ違いざまに「またどこかで会いましょう!」
ち、声をかけた。
再び7合目で下山の準備を行った。
想い出作りに太陽感の有料トイレ500円
を利用してみた。
柄杓で桶の水を流す、
簡易水栓トイレ風のトイレやった。
俺は気持ちをしなやかに
「焼肉大龍で大龍ラーメンモード」に切り替えた。
下山道からは楽しみにしていた砂走が始まる。
雨でザクザクの砂道且つ斜度高めのため、
1歩足を出したら、ザっと1mくらい進む。
コツを掴んだら、かなりの速さで下山することができた。
かなり元気になった娘はバランスを崩してこけた。
途中、力尽きて遠くを見てる人もいた。
お年寄りの集団が居て、まとめて抜いた。
外国人のおばちゃん2人に抜かれた。
テンポよく下っていると、
目を疑う光景に出くわした。
外国人のおにいちゃんが、
下山道を逆走してくるのだ。
つなたい英語で話しかけて、
この道は下山オンリーの道だと説明したが、
彼は登って行った。
彼は何か言っていたが、
残念なことに聞き取れんかった。
一旦別れた後、彼の事が気になり
彼のもとに行き、正式な登山道まで
案内しようかと思ったが、
もう遠くまで行ってたので諦めた。
娘は彼の事を「トム」と呼び、
宇部に到着するまで「トムは元気だろうか?」
ち心配してた。
そもそも、どうしてトムは
下山道に来てしまったのか?
今となってはもう解らない。
下山はあっという間で、
1時間程度で砂払5合目に到着。
雨が降り出したので、早々に5合目を目指した。
幾つかの団体客とすれ違った。
1155頃に5合目の山小屋に到着。
1200のバスは間に合わないから、
山小屋の椅子に座って、かき氷とコケモモソフトを食べた。
1200頃の5合目は
今から登る人たちで活気づいてた。
山小屋もワイワイしてて、楽しかった。
ということで、俺達の富士登山は終了。
帰りは運転が上手なバスで下山し、
道の駅でお土産と偽クロックスを購入。
俺達の戦いは終わった。
7合目の決断は正しかったのか?
これから暫く悩むことになります。
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