「来来」 福岡県飯塚市
●隠れ家的ラーメン屋
飯塚にずっと気になっているラーメン屋さんがあって。
・屋号が日によってかわる。
・豚骨なのに透明。
・店主がラーメン好きでいい人。
・お昼前に売り切れる。
らしい。しかも美味しいらしい。
この度、嫁が飯塚である酵母教室?に行きたいというので、家族でここに寄ってみた。
俺たちに許された時間は少ないので、場所と駐車場は事前確認しておいた。
駐車場はお店から少し離れた所にある。
11:05頃に飯塚市片島に到着。
お店の前には数人の行列ができている。
俺は家族をお店の前に降ろし、駐車場に向かった。
幸いな事に2台しかない駐車場は1台空いとった。
俺は叱られて機嫌が悪い息子と一緒に行列にならんだ。息子は終始はぶてていた。
嫁は娘をずっと抱っこしており、重そうやった。
噂を聞きつけたラーメン好きそうな人達が、俺たちの後に次々と並ぶ。
お店から食べ終わった美人さんが出てきて「おいしかったー☆」と云っていた。
ちなみに今日の屋号は「月」やった。
※誰かのブログで見たけど、屋号が「宇部市行くべし」の時もあるらしい。
暫くして中に通された。店内はカウンターのみで、多分10席もない。
他のお客さんはおじさんおばさん夫婦のみ。
メニューはラーメン大盛りと並とごはんしかない。
これから、穏やかで独特な感じの店主の世界の飲みこまれる事になる。
飄々とラーメンを作る主人に「ラーメンの写真を撮ってもよいですか?」ち聞くと、
「どうぞどうぞ、撮ってよかですよ。ていうか、ダメとかいうお店があるんですか?」
「いい宣伝になると思うんですけどね。うちはネットでひっちゃかめっちゃか書かれますけど」
「小倉からわざわざすみません。小倉だとどのお店が好きですか?」
「大きな病院の前にある宝来軒さんは東洋軒さんと関係があって、うまかですよ」
と、和やかな雰囲気やった。
確かにいい人だが、変っとる人だ。天才タイプや。
で、出てきたラーメンがこれ。透明で透き通る豚骨ラーメン。
肉しか乗っていない、とてもシンプルなラーメン。
結論からいうと無茶苦茶美味しかった。
スープはやや塩気強めで、うまみが凝縮されていた。
ラーメンていうか、中華料理ち感じ。
それに少しだけ柔らかい麺がよく馴染む。
チャーシューはしっかりした味付けで、とても良いアクセントやった。
意外だったのは、子供たちが沢山食べる事。
息子なんか「うまかっちゃんより美味しい!」と最上級の褒め言葉。
どうやら、今まで食べたラーメンの中で一番美味しかったらしい。
娘は「棒ラーメンみたいでおいしいー」と喰らいついていた。
※普段からインスタントラーメンしか食べてないみないでごめんなさい・・・。
※棒ラーメンは違うと思う。
途中、夫婦が「ごちそうさま!」と出て行った。
店内にいるのは店主と高橋家の5名。
なんか、店主宅の台所にいるような気分になる。
不思議なのは、店主が次のお客さんを店内に入れようとしない。
暫く、5名の時間が続いた。
それから「もう終わりち行ってこんといけんね」と店主がのっそりと外へ。
店内にいるのは高橋家のみ。
なんか、店主宅の留守番をしているような気分になる。
店主は焦らない。常にマイペース。
次のお客さんと戻ってきた店主に
「どうして透明のラーメンを作ろうと思ったんですか?」ち聞いたら、
「ただの手抜きですよ。」
「本当は東洋軒さんみたいな濃いラーメンを作りたいんですけど、あはは。」
ち、謙遜されておりました。
・・・・・。
ちょっと次の目的地まで時間がなかったので、
俺だけ先にごちそうさまをして、お店の外に出ました。
行列には5人位が並んでいて、最後尾はファンキーな髪形のおいちゃんやった。
その後ろにもまだまだ並んでいたはずだし、
行列がどれだけの長さになっていたのか分からんけど、
結構な数の方々が涙を飲んだのではなかろうか・・・。
駐車場に向かおうとしたら、信号待ちのタクシーの運ちゃんが話しかけてきた。
「にーちゃん、ここは何屋なんね?。」
「ラーメン屋やが。おいしいよ。」
「はぁ?ラーメン屋なんね。ずっと気になっとったんよ。」
「それちゃ。しかも透明な豚骨ラーメンなんよ?」
「そうなんね!今度行ってみるわ」
「是非、行ってみてん!」
屋号も何屋かも書いていないラーメン屋。
店主の不思議なセンスと世界に包まれた異空間。
妙に惹かれてしまったのです。
そして、本当に手抜きなのかも・・・ち思えてきた(笑)
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